今回は太陽光パネルのお話です。
東京では太陽光パネルの設置を義務化するとかいう話が出ていたり、「脱炭素」が掲げられている昨今、新居を建てる際には必ず一度はこの「太陽光パネル」考えると思われます。
我が家は平屋で片流れの屋根ということもあり、太陽光パネルを設置するに適した条件がいくつかそろっているということで、一時は太陽光パネルの設置を検討していたのですが、熟考した結果見送りました。
その際に考えたことをチェックリストっぽくまとめたので、太陽光パネルを検討されている方は以下の項目をちゃんとよく考えた上での導入をおすすめします。
太陽光パネルの魅力
発電量の確認が楽しみ
個人的に思う太陽光パネルの魅力は、何と言っても「毎月の発電量の確認が楽しみ」な所です。
毎月どれだけの電力を発電し、どれだけの電力を自分の家で使用しているのか。
これを確認するのってすごくワクワクするし楽しそうじゃないですか。
我が家は結局太陽光パネルは見送りましたが、最後までその魅力と戦っていました。
最近はHEMSという電力システムを利用することで、電力消費量と発電量を知ることができるので、「今月は電気を使いすぎたから来月は抑えよう」とかそういった目安にもなります。
災害時の備えとなる
他には、蓄電池と併せることで停電や災害時に備えることができる点もかなり魅力的です。
このご時世何があるか本当に分からないので、そういった「もしものときの電気」があるとかなり強いです。
ただし、これは「蓄電池」ありきの話かなぁと思います。
蓄電池が無い場合は災害時も「太陽光発電が可能なお昼」しか電気を使えません。
それだけでもあればかなり助かりますが、欲を言うなら蓄電池も併せて欲しいところではあります。
太陽光パネルを検討中の方へ10の質問
実際に私が太陽光パネルを検討しているときに考えた項目を挙げていきたいと思います。
以下の10項目をクリアできたのであれば、あなたのお家に太陽光パネルは適しているといえるでしょう。
太陽光パネルは「投資商品」だということを理解していますか?
我が家が太陽光パネルを辞めた一番の理由は、太陽光パネルは結局「投資」と同じだと思ったからです。
投資として考えるなら、「年間利回り」と「最終的に何年でいくら儲かるか」を重視します。
実際にざっくり計算してみた
太陽光パネルの耐用年数が約20年らしいので、20年でざっくり計算してみます。
大まかに、初期費用として200万円投資して、リターンは多く見積もって年20万円とする。そうすると、10年で元がとれる計算です。
肝心の「儲かるか」という視点では10年経過してからやっと儲かり始めます。
そうすると残りの10年で、200万円の儲けがでますね。
つまり、20年で200万円の儲けが出たと想定すると、年間利益は「200万円÷20年=10万円」。
投資額は200万円で、1年で10万円の儲けなので利回りは「10÷200×100=5.0%」
利回り5.0%というのは投資でいうと結構良いですが、これはかなり多く見積もってこれだけなので、実際はメンテ費用だの何だのでもっと下がります。
ここではざっくりでしか計算しないですが、このような計算をご自分の状況に合わせてさらに以下に挙げる項目を考慮して計算した上で判断するべきではないかと言うことを言いたいのです。
同じ200万円を使うなら他の投資商品はいくらでもありますし、「太陽光である必要があるのかな」と思っちゃいました。
メンテナンス、点検費用は考慮に入れていますか?
上の計算でも出てきましたが、メンテナンス費用は必ず考慮に入れなければいけません。
太陽光パネルやエネルギーを変換するためのパワーコンディショナーは、しっかりとメンテナンスをしないと発電効率が落ちてしまいます。
なので、年に1回はメンテナンスをした方が良いと言われています。
故障のリスクは考慮に入れていますか?
台風や地震、大雨、落雷などの自然災害で太陽光パネルやパワコンが故障してしまう可能性は少なからずあると思います。
一度故障してしまうだけで、数万円~数十万円の修理費用がかかるので、それだけで投資分をペイするのに1年以上伸びる可能性があります。
税金がかかる可能性は考慮に入れていますか?
かかる可能性がある税金の種類は「所得税」と「固定資産税」です。
屋根一体型の太陽光パネルだと「固定資産税」がかかります。屋根に架台をかましてパネルを設置する場合はかかりません。
「所得税」は年間の売電利益が20万円を超えてしまった場合にかかります。
そういった税金がかかる可能性があるというのも、あらかじめ計算に入れておくといいかと思います。
FITが終了してからの使い方は考えていますか?
FITとは売電価格が年々下がっている中、「10年間売電価格を固定の値段にしてあげるよ」という国の政策です。
なので、10年経過すると売電価格がガクッと下がることになります。半額以下にまで下がると思っておいた方がいいでしょう。
FITが終了すると売電するメリットが無くなるので、ほぼほぼ自分の家で発電した電気を使うことになると思います。そうなったときのことをしっかり考えないと後悔するかもしれません。
自分だったら、10年後は蓄電池を購入するかなぁと想像しています。
売電が望めなくなっても、電力会社から電気を購入する分が抑えられるならそれはお金を稼いでいるのと同じなので、夜間でも電気を使えるように蓄電池が有効になると考えます。
廃棄費用は考慮に入れていますか?
発電効率が著しく落ちた場合、または故障した場合は廃棄(リサイクル)しなきゃいけないので、これは太陽光パネルを設置したらいずれ通る道だと言えます。
一般的に廃棄費用としては20~30万円かかるらしいです。
せっかく儲けが出たのに、廃棄する際にガクッと儲けが減ってしまうのは精神的に嫌だと思うので、毎年積み立てておいた方が良いのかもしれません。
2022年7月より、廃棄費用の積み立てが義務化されましたが、これは10kW以上の太陽光パネルの話なのであまり関係ないかと。
耐震性能が悪くなることを理解していますか?
太陽光パネル1枚につき約15kgあるそうです。
一般的な住宅に設置する5kWであれば約20枚設置することになるので、合計300kgの負担がかかることになります。
これがめちゃくちゃ大きい負担なのかそうでないかは正直分からないが、住宅にかかる負担は確実に増える訳で、そうなると耐震性能も少なからず悪くなります。
雨漏りリスクが高くなることを理解してますか?
太陽光パネルを屋根に設置する際に、ねじで穴を開ける必要があるのでやはり何もしないよりは雨漏りのリスクが高くなると言えます。
そこは、施工業者をしっかり確認することで未然に防ぐことができるかもしれません。
また、最近はねじを開けない施工方法もあるらしいので、気になる方は調べてみてください。
あなたの地域の日照時間を知っていますか?
日本各地で日照時間に差が結構あります。
当たり前ですが、日照時間が短い地域にお住まいの方はそれだけで、太陽光発電は不利だと言えます。
以下のサイトをみると、どの地域が日照時間が長いかがわかります。長野県あたりが一番太陽光発電に向いていると言えそうですね。
<出典:ソーラークリニック>
ハウスメーカの言いなりになっていませんか?
ハウスメーカーにもよると思いますが、太陽光パネルをゴリ押ししてくるメーカーもいます。
中には太陽光パネルをサービスしてくれるハウスメーカもいたりします。きっとノルマがあるんでしょう。
仮に太陽光パネルを設置する方向になった場合、本当にハウスメーカーに勧められた通りの業者、またはメーカーの太陽光パネルで良いんですか?というのを一旦考えましょう。
ハウスメーカーは自分の会社が提携している業者の太陽光パネルを勧めてきますが、実際、他にももっと良い業者があるんじゃないか。
もしかすると、ハウスメーカーは通さずに自分で直接業者を探して契約した方がお得に設置できるのではないか。
かなり面倒ですが、もし太陽光パネルを導入するとなったらそういった検討もする必要があると個人的には思います。
まとめ
この記事を読んで、太陽光パネルの設置を辞めたくなりましたでしょうか?
上記を踏まえた個人的感想を端的に言うと、「住宅用太陽光パネルはリスクが比較的高い割にはリターンがそこまで望めない投資商品」のようにに思えました。
なので、我が家は設置を見送りました。
ですが、太陽光パネルは絶対にやめたほうがいい!と思っている訳ではありません。
ちゃんと太陽光パネルが機能してくれていれば、10年後20年後には元がとれているだろうとは思うので。
ただ「メンテが必要だとか発電効率が落ちたらだとか、不安要素が結構大きいのかな」ということがネックで、それならもっと良い投資先があるのではないか?投資信託の方がまだ良いのではないか?
そう思っているだけです。
もし、それでも太陽光パネルを設置したいとお考えの方はぜひハウスメーカーから提示された業者だけでなく、他の業者の見積も検討してみることをお勧めします。
以上、誰かの参考または気付きになれば幸いです。